刃物の種類・穴あけ工具編

マシニングセンターでよく使う刃物を紹介します。

<穴あけ工具編>
・センタードリル
ディキシ超硬ncセンタードリル(超硬合金)(先端角 1106−16.0

 ドリルの進入を安定させるためのセンターモミをする刃物です。
 先端角が90度のものが多く、簡単な面取りも行えます。


・ドリル
超硬付刃テーパーシャンクドリル Td 45

 穴あけ工具の代表格です。
 比較的容易に、安価に穴あけができます。
 ただし、穴の精度はイマイチで、いわゆる「バカ穴」になります。


・リーマ
岡崎精工(株) 岡崎 マシンリーマ5.0mm MRT1X050 リーマ

 精度の高い穴を開けたいときに使います。
 ボーリングの使えない、小さい穴にも対応できます。


・ボーリング
三菱マテリアルツールズ(株) 三菱 ボーリングホルダー S20QSTFCR16 TA式旋削工具
 精度の高い穴を開けるときに使います。
 径の調整が最初のうちは難しいですが、
 慣れるとリーマより便利です。


・タップ
SK ねじ切中タップ メートルねじ用並目 M2×0.4

 ねじ穴を加工するための工具です。
 下穴と深さの調整が少し難しいです。
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刃物の種類・切削工具編

穴あけ以外の、形状加工のための刃物です。

<切削工具編>
・カッター
イスカルジャパン(株) イスカル X ミル2000/カッタ 3M-F90AxD50-22-13 TA式フライス工具

「正面フライス」「フェイスミル」「フルバック」などとも呼ばれます。
(すみません、差がわかりません)
主に上面面削に使います。
刃物がチップになってるのも特徴です。


・エンドミル
強ねじれスクエアエンドミル(3枚刃) 3636 009.000

マシニングセンターの代表的な工具といっても良いかもしれません。
底面と側面が刃になっているので、
穴あけ、側面切削、形状加工と、様々な加工に対応できます。
小さい製品などは、これ一本ですべて加工してしまうことも。

先が丸くなっているボールエンド、傾斜のあるテーパエンド、
粗加工用のラフィングエンドなど、種類も豊富です。


・サイドカッター
岡崎 サイドカッター SCT100X110

側面の溝加工に使います。
刃長のほか、刃厚にも気をつけないといけない刃物です。
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刃物の径と長さの基礎知識

刃物の径と長さですが、基本は

なるべく短く、なるべく太く

です。

当たり前のことですが、長かったり細かったりすると、
強度が弱くなるからです。
つまり

・折れやすい
・精度が出ない
・摩耗がはやい

…ということで、良いことがありません。

ちなみに、刃物の講習会や勉強用の本を見ているとよく出会う公式があります。
難しくてよくわからない公式ですが、簡単に言うと、

・刃物の長さを2倍にすると、強度は8分の1になる。
(強度は長さの3乗に反比例する)

・刃物の太さを2倍にすると、強度は16倍になる。
(強度は太さの4乗に比例する)

というものです。
3乗、4乗というかけ算の世界なので、ほんの少し太くしたり短くするだけで、大きな効果が得られます。

例)
刃物の突き出しを40ミリから30ミリにする。
→長さが4分の3なので、3/4の3乗の逆数で約2.4倍の強度

φ16の刃物をφ20に変更する。
→ 刃物の太さが1.25倍 なので、1.25の4乗で約2.4倍の強度


径を太くすると工具が高くなりますし、
刃物の長さを短くすると干渉しやすくなります。

しかし、工具の寿命や精度に影響することですから、
出来る限り注意したいポイントです。
タグ:切削 工具
posted by center drill at 19:14 | Comment(0) | 工具(刃物)について

主軸回転数と送り

金属を刃物で加工する時、削るスピードがあっていないと、うまく削れません。
速すぎると刃物が欠けてしまったり、摩耗が早くなったりします。
だからと言って、低速で削っていたのでは、加工時間が長くなってしまいます。

最適な条件で加工速度を設定しなくてはなりません。

さて、この加工条件は、NCプログラムを組む時、二つの値で決定します。
それは、「主軸回転数」と、切削時の移動速度である「送り」です。

<主軸回転数>
NCプログラムでは「S機能」で数値を決めます。

ブロックに、「S1000」とあれば、主軸回転速度は1分間に1000回転という指令になります。
単位は「回転数の単位はmin-1(マイナス一乗)」です。

刃物が対応できる回転速度は、加工する金属の種類や、工具長(特に突き出し)、工具径によって左右されます。
一般的には、
・削りにくい金属ほど回転数を遅くする
・工具が長かったり工具径が太いほど、回転数を遅くする
ことが多いようです。


<送り>
送りは、座標上の移動速度のことです。
NCプログラムでは「F機能」で数値を決めます。
ブロックに、「F100」とあれば、1分間に100mmの速度で座標上を移動します。
単位は「mm/min(分速ミリメートル)」です。
送り速度は、ダイレクトに加工時間に影響します。
「F100」の速度で、1000mm移動(切削)すれば、10分かかることになります。

送り速度は、主軸回転数や刃物の枚数、金属の削る量などに影響します。
一般的には
・刃物の枚数が多いほど送りを速くできる
・一度に削る量が多い時は、送りを遅くする
という関係にあるようです。

また、送りは主軸回転数と比例の関係にあります。
仮に主軸回転数と送りの条件が最適な時、何らかの理由で主軸回転数を半分にする場合は、送りも半分にする必要があります。


この主軸回転数と送りは、計算で求めることもできるのですが、とりあえず後回しにします。
切削条件の決定は難しいので、初心者に独断でやらせることは少ないと思います。
最初のうちは、先輩が作ったプログラムをコピーして加工することが多いと思いますし、そこで使われている数値を参考にすればよいでしょう。
また、CAMソフトを使っているようであれば、ソフトが自動で切削条件を計算してくれるはずです。
もしも条件がわからない時は、刃物のカタログに載っている、切削条件を参考にしましょう。
(カタログの数値は、最速の条件になっていることが多いので、調整が必要ですが)


実際の段取で、加工がうまくいかない時は、主軸回転数よりも送りで調整する方が無難のようです。
10パーセントくらいを目安に、徐々に送りを落としていき、加工中の音や、加工後の面粗で判断していきます。
面の粗さなどは、送りを速くしたほうが良くなることもあるので、色々試してみてください。

送りの調整だけでははうまくいかない時は、主軸回転数も上げ下げしてみます。
このとき、比較的良かった主軸回転数と送りの割合を計算してみましょう。
例えば「S1000」で「F200」の時が比較的良い結果になっているようなら、「S800」の時は「F160」から確認すると、最適な条件をみつけやすいはずです。
posted by center drill at 17:31 | Comment(0) | 工具(刃物)について

切削速度

製品を加工していて、うまく削れない時に、先輩に相談すると、こんなことを聞かれることがあります。

「エンドミルは何メーターで削っているの?」

メーター??m?
送りは分速mmですし…何なのでしょうか?
よくわからないので、φ20(直径20ミリ)の刃物を、S800で加工しています、と答えたとします。
すると先輩は、素早く計算して、

「50メーターか。少し速いかもね。30メーターくらいまで落としてみるか」
と言って、回転数をS480にするよう、アドバイスをくれたりします。

この謎の「メーター(m)」ですが、正体は切削速度です。
単位は「m/min」です。
厳密には分速〜メートルなのですが、現場では分速を略して、「〜メーター」と言ったりするようです。


切削速度は、回転工具の刃先の速度です。
主軸回転数を算出するための、目安となります。

例えば「S100(1分間に100回転)」と言っても、φ10とφ20の刃物では、刃先の速度が違います。
切削速度は刃物の直径に影響します。

円周は「直径×π(3.14)」で求められますから、
φ10の場合は一周が31.4ミリ
φ20の場合は一周が62.8ミリ
となります。

更に、S100は1分間に100回転ですので100倍です。
φ10は1分間に3140ミリ
φ20は1分間に6280ミリ
の速度ということです。

…単位がミリだと、数字が大きくて、わかりづらいです。
そこでメートルになおします。
ミリはメートルのの1/1000ですから、
φ10は1分間に3.14メートル
φ20は1分間に6.28メートル
となります!
これが切削速度、分速〜メートルです。

同じS100でも、直径が倍だと、速度も倍になってしまいます。
速度が速すぎると、刃物が耐えられず、刃欠けなどの原因となります。
φ20の刃物を、φ10と同じ切削条件にしたい時は、回転数を半分のS50まで落とさないと、同じ切削速度にならないわけです。


上の計算をひとつの式にまとめると以下のようになります。

計算式「切削速度=主軸回転数×直径×π÷1000」
計算式「切削速度=主軸回転数×直径×π÷1000」

この式は重要ですので、暗記しましょう。

工場で加工しているNCプログラムを見ることが出来るなら、それぞれの刃物がどのくらいの切削速度で加工しているか、関数電卓を片手にチェックしてみると良いでしょう。
何度も繰り返していれば、自然と暗記できます。
出来ることなら、刃物や材質別の切削速度一覧表を作ってみることを、おすすめします。

ベテランの方は、刃物の種類や加工する金属の種類によって、どのくらいの切削速度で削ることが出来るか、記憶しています。
そのため、未経験の金属や、新しい加工方法を試す時も、おおよそどのくらいの加工条件にすればよいか、見当を付けることが出来るのです。
posted by center drill at 17:44 | Comment(0) | 工具(刃物)について

一刃あたりの送り

「送り」について詳しく説明します。

送りの速さで、刃が一度に削る量が決まる!

上の図は、被削材の側面を加工する様子を、上から見た図…だと思ってください。
(灰色のが刃物、クリーム色のが被削材です)
ピンクの部分が、刃が当たったとき、一度に削る量だとします。
送りを速くすると、このピンクの面積が大きくなってしまうわけです。
つまり、刃物が一度に削る量が増えてしまうのですね。
当然、マシニングセンターや刃物にかかる負担も増えてしまいます。

そこで、送りを半分にすれば、削る量も減るわけですが…
送りを半分にする?回転を倍にする?刃の数が倍のツールを使う?

加工時間が延びてしまうのは、よいことではありません。
上の図のように、一度に削る量を半分にするのは、送りを落とす方法だけではありません。

ひとつは、回転数を倍にする。
送りの速度がそのままで、回転が倍になれば、刃が一度に削る事になる量は半分になります。
ちょうど、2番目の図と同じになります。

もう一つは、刃物の刃数が多いものに変更すること。
2枚刃の刃物を使っていたなら、4枚刃に!
1回転の間に2回削るよりも、4回削るなら、回転数を倍にするのと同じ効果が得られるわけです。

「刃の数が多い刃物ほど送りを速くできる」
単純ですが、重要です。


まとめると、「送り」に影響するのは、「回転数」と「刃数」。
計算式にすると、
送り=主軸回転数刃数×一刃あたりの送り
送り = 回転数 × 刃数 × 一刃あたりの送り

となります。
「一刃あたりの送り」って何だ?という感じですが、これは「切削速度」と同じ、係数のようなものです。

エンドミルで、アルミの仕上げだったら、「0.02」くらいかな?
というように、感覚的に覚えていくしかありません。
先輩の作ったプログラムをのぞきながら、上の計算式で割り出してみると良いでしょう。
posted by center drill at 23:13 | Comment(0) | 工具(刃物)について

切削条件 計算のまとめ

切削速度を求める式は、
計算式「切削速度=主軸回転数×直径×π÷1000」
切削速度 = 主軸回転数(S) × 直径 × π ÷ 1000です。

式を変形して、主軸回転数(S)を求める式にもなります。
主軸回転数=切削速度×1000÷直径÷π
主軸回転数(S) = 切削速度 × 1000 ÷ 直径 ÷ π

主軸回転数(S)から、送り(F)を求めることが出来ます。
送り=主軸回転数刃数×一刃あたりの送り
送り(F) = 主軸回転数(S) × 刃数 × 一刃あたりの送り

一刃当たりの送りを計算したいときは式を展開して、
一刃当たりの送り=送り÷主軸回転数÷刃数
一刃当たりの送り = 送り(F) ÷ 主軸回転数(S) ÷ 刃数
で求めることが出来ます。

<おまけ>
会社の加工プログラムを参考に、切削条件をまとめてみましょう、と書いたのですが、まとめ方の一例をエクセルファイルにしてみました。

sessaku.xls
(Excel2000で作りました。右クリックでパソコンに保存できます)

切削速度と一刃あたりの送りを関数計算させているのですが、未入力だとエラーになっていたり、適当で申し訳ありません。
(記入例の切削条件も適当なので、ご了承下さい)
参考になれば幸いです。
エクセルで作った切削条件一覧表
posted by center drill at 17:10 | Comment(0) | 工具(刃物)について

工具カタログを利用した、切削条件の求め方

ここでは、工具メーカーのカタログを利用した、切削条件の求め方を解説します。
メーカーのサイトに用意されている、電子カタログを元に解説します。
実際にリンク先を確認しながら、読んでいただければ幸いです。
(リンク先のカタログの解説は2009年11月現在のものです。
変更になる場合がありますので、ご了承下さい)

※加工する被削材の材質はアルミとします。


まずは、φ10のエンドミルを使う場合を考えてみましょう。
オーエスジーの「MG-EDS」という製品で考えてみます。
2枚刃のショートエンドミルです。
オーエスジー(株) OSG 超硬エンドミル MG-EDS-3-2.7 ソリッド型超硬エンドミル

ミーリング工具カタログの2009-2010年版だと、157〜158ページにあるのですが…PDFだと、探すのが大変ですね。

ネットからだと、「カタログ検索」のエンドミルから、
工具形状を「スクエア(通常形)」→「スクエア」
表面処理を「ノンコーディング」(他はデフォルト)で「次へ」、
外形を「10」と入力して検索すれば、表示されると思います。
ここで切削条件一覧も表示されるので、確認してみてください。
(カタログの場合は、520ページです)

「呼び」というのが工具径のことなので、φ10でアルミ合金の条件を確認すると、
主軸回転数が3150、送りが300であることがわかります。
そのものズバリなので、この切削条件でNCプログラムを組めば、比較的無難に削れるはずです。

せっかくなので、切削速度と一刃あたりの送りを計算してみましょう。
計算式は、「切削条件 計算のまとめ」のとおりです。

切削速度は
計算式「切削速度=主軸回転数×直径×π÷1000」
切削速度 = 主軸回転数 × 直径 × π ÷ 1000ですから、

3150 × 10 × π ÷ 1000 = 約99 m/min

切削速度は、おおよそ100メーターくらいを推奨しているようです。

一刃あたりの送りは、
一刃当たりの送り=送り÷主軸回転数÷刃数
一刃当たりの送り = 送り ÷ 主軸回転数 ÷ 刃数なので、

300 ÷ 3150 ÷ 2枚刃 = 約0.05

であることがわかります。
切削速度と一刃あたりの送りは、計算しなくても加工できますが、習慣をつけておくことをおすすめします。
「アルミを加工するときのエンドミルは切削速度が100メーターくらい」
という知識は、繰り返し計算をしていないと、なかなか身につかないからです。



次は、φ80の正面フライスを考えてみましょう。

MITSUBISHIさんにも、WEBカタログという非常に凝ったコンテンツが用意されています。
今回使う工具は、画面上部の「回転工具」→「正面フライス」を選択し、左に表示される一覧から、「BF407形」をクリックしてください。

今回は直径80ミリの工具ですから、一覧の一番上の「BF407R0305C」という製品を使うことになります。
刃数は5枚ですね。

このヘッドに、チップ式の刃を取り付けて、使用するわけです。
チップ式なので、数種類のチップを用途に分けて変更することが可能です。
候補となるチップは、画面一番下の「インサート」の表にあります。
「超硬」とか「PCD」とかありますが、これはチップの材質です。
「PCD」はダイヤモンド焼結体のことらしいので、仕上げ用に使うことが多いように思います。
ここでは通常使用を考えているので、適当に一番上の「SFAN1203ZFFR2」を選ぶことにします。
黒丸●をクリックすると、チップ(インサート)の切削条件が表示されます。

アルミを加工するのですが…えーと、種類がいくつかありますね…。
特に考えていなかったのですが、ハードな被削材は想定していないので、一番上のA6061相当で良いと思います。

切削速度が700m/min(状況に応じて、400〜1000m/minでも可)
送りが一刃あたり0.15mm(状況に応じて、0.1〜0.25でも可)とあります。

正面フライスの場合、チップ(インサート)によって、切削条件が変わります。
しかし、チップは取り外し式なので、ヘッドの径によって、主軸回転数や実際の送りは変化してしまいます。
そこで、切削速度と一刃あたりの送りが、推奨切削条件として、表示されているのです。

それでは、実際に計算してみましょう。

まずは主軸回転数です。
主軸回転数=切削速度×1000÷直径÷π
主軸回転数(S) = 切削速度 × 1000 ÷ 直径 ÷ πですから、

700m/min × 1000 ÷ φ80 ÷ π = 約2785(S)
となります。

主軸回転数が2785とわかれば、送りも計算できます。
送り=主軸回転数×刃数×一刃あたりの送り
送り = 主軸回転数 × 刃数 × 一刃あたりの送り なので、

2785(S) × 5枚 × 0.15mm = 約2089(F)
です。


以上が工具カタログから、切削条件を求める基本的な流れになります。
紹介したメーカー以外の場合も、ほとんど同じ流れで調べることが出来ると思います。
メーカーがわからない工具を使う場合は、似たような工具を参考にすれば、おおよその見当がつけられます。

ただし、メーカーの推奨条件が必ずしも正解とは限りません。
加工方法や被削材の剛性によって、大きく変化しますし、
会社の方針(マシニングセンターに負荷をかけないようにするか、加工時間短縮を優先するかなど)によっても、条件は変わってきます。
それぞれの会社が、それぞれの答えを、これまでの加工実績から蓄積しているはずです。
これが会社のノウハウであり、現場で働く人間の経験値なのだと思います。

実際の現場では、切削条件を決めたら、とりあえず削ってみて、加工中の音や加工後の面粗、刃物の摩耗具合などで、切削条件を少しずつ調整する…という繰り返しになります。
タグ:工具
posted by center drill at 22:40 | Comment(0) | 工具(刃物)について
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