センターモミ

ドリルで穴あけを行なう前に、
センタードリルで印を付ける加工を「センターモミ」と言います。
「モミつけ」と言うこともあるようです。
なぜこのような加工を行なうのでしょうか?
それは、ドリルに問題があります。
ドリルは先端がそれ程鋭くないため、直接金属面に押しつけても、
位置が定まらずに振れてしまいます。

これを防ぐため、センターモミで位置を決め、ドリル加工を安定させるのです。

このあたりの感覚は、工業系の学校へ通っている方ならボール盤の
作業から理解されていることでしょう。
しかし、全くの素人だった私は
「なんでセンターモミをするのだろう」と、
長い間、疑問に思っていました。
(私だけかもしれませんが)
ちなみに性能の高い高価なドリルの中には「センターモミ不要」を謳うものもあります。
加工時間短縮に繋がるので、値段と相談して検討してみるのも良いでしょう。
センターモミは加工完了時には残らない加工ですから(同時に面取りをする場合を除きますが)、無いのにこしたことはありません。
ただし、段取り作業時には、少し便利な確認方法として使えます。
センターモミをすれば、穴の座標の確認を大雑把に行えるからです。
実際に座標を追っていく確認方法に比べると、確認方法として不確実ではあります。
しかし、図面との位置関係を目で比較できるので、間違いに気が付きやすいのです。
特に、取り代が残っている加工面であれば、仕上げ寸法よりも高い位置でセンターモミをします。
こうすれば、万が一間違った穴位置が入力されていても、修正がききます。
プログラムミスによる不良を減らすテクニックとして使えますので、試してみてください。
<追記 08.10.13>

センタードリルの角度がドリルと合っていないと、ドリルの刃折れの原因になるそうです。
削るのが難しい金属に挑戦するときは、注意してみてください。
コメント欄のとおりですが、pokoさんにご指摘をいただきました。
ありがとうございました。
posted by center drill at 22:46
| Comment(2)
| 用語解説
センタードリルの角度と、ドリルの角度を一致させたほうがブレにくい、と言うことですね?
ドリルと同じの角度ということは(ドリルにもよりますが)、120°くらいのセンタードリルが、より適していると言うことですね。
私の担当している製品は、アルミが多かったので、あまり気にしたことがありませんでした。
非常に参考になりました。
後日、記事についても追記いたします。
本当にありがとうございました!