切削速度

製品を加工していて、うまく削れない時に、先輩に相談すると、こんなことを聞かれることがあります。

「エンドミルは何メーターで削っているの?」

メーター??m?
送りは分速mmですし…何なのでしょうか?
よくわからないので、φ20(直径20ミリ)の刃物を、S800で加工しています、と答えたとします。
すると先輩は、素早く計算して、

「50メーターか。少し速いかもね。30メーターくらいまで落としてみるか」
と言って、回転数をS480にするよう、アドバイスをくれたりします。

この謎の「メーター(m)」ですが、正体は切削速度です。
単位は「m/min」です。
厳密には分速〜メートルなのですが、現場では分速を略して、「〜メーター」と言ったりするようです。


切削速度は、回転工具の刃先の速度です。
主軸回転数を算出するための、目安となります。

例えば「S100(1分間に100回転)」と言っても、φ10とφ20の刃物では、刃先の速度が違います。
切削速度は刃物の直径に影響します。

円周は「直径×π(3.14)」で求められますから、
φ10の場合は一周が31.4ミリ
φ20の場合は一周が62.8ミリ
となります。

更に、S100は1分間に100回転ですので100倍です。
φ10は1分間に3140ミリ
φ20は1分間に6280ミリ
の速度ということです。

…単位がミリだと、数字が大きくて、わかりづらいです。
そこでメートルになおします。
ミリはメートルのの1/1000ですから、
φ10は1分間に3.14メートル
φ20は1分間に6.28メートル
となります!
これが切削速度、分速〜メートルです。

同じS100でも、直径が倍だと、速度も倍になってしまいます。
速度が速すぎると、刃物が耐えられず、刃欠けなどの原因となります。
φ20の刃物を、φ10と同じ切削条件にしたい時は、回転数を半分のS50まで落とさないと、同じ切削速度にならないわけです。


上の計算をひとつの式にまとめると以下のようになります。

計算式「切削速度=主軸回転数×直径×π÷1000」
計算式「切削速度=主軸回転数×直径×π÷1000」

この式は重要ですので、暗記しましょう。

工場で加工しているNCプログラムを見ることが出来るなら、それぞれの刃物がどのくらいの切削速度で加工しているか、関数電卓を片手にチェックしてみると良いでしょう。
何度も繰り返していれば、自然と暗記できます。
出来ることなら、刃物や材質別の切削速度一覧表を作ってみることを、おすすめします。

ベテランの方は、刃物の種類や加工する金属の種類によって、どのくらいの切削速度で削ることが出来るか、記憶しています。
そのため、未経験の金属や、新しい加工方法を試す時も、おおよそどのくらいの加工条件にすればよいか、見当を付けることが出来るのです。
posted by center drill at 17:44 | Comment(0) | 工具(刃物)について
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