改善のヒントを考える

なんだか、職場が突然、暇になってきました…。
不況、恐るべし。

忙しすぎるのも嫌ですが、仕事がないというのはもっと嫌です。
お給料を貰っている以上、ぼーっとしているわけにも行きません。
何か、仕事をください…。

そんななか、改善活動に力を入れよう、という会社も多いのではないでしょうか?
トヨタの本を読んでいると、忙しい時ほど、改善に力を入れよ、と書いてあるのですが…暇な時には、暇な時しか出来ない改善もあるはずです。
よりよい職場にしておけば、忙しくなった時にも、良い仕事が出来ると思います。

そこで、私なりに改善のアイディアの種になりそうなことを、まとめてみました。
たいしたことは書けませんが、何かの参考になれば、幸いです。


☆加工時間を短くする
金属切削加工の現場で、一番効果の大きな改善は、加工時間を短くすることです。
時間を短くする…ということは、一見、納期を早めることが出来る、ということのように感じます。
しかし、加工時間が短いと、その分、他の仕事を引き受けることが出来ますから、売り上げも伸びます。
(仕事がないのは、別の問題ですので…)
1個1000円の加工に、1時間かかっていたものを30分に縮めれば、1時間に2個加工できるので、2000円稼げるようになる…という考え方です。
結果的に、安く作ることが出来る、ということでもあります。

ひと月に、何十個、何百個と加工している製品であれば、ほんの少し加工時間を縮めただけで、とても大きな改善効果があります。

加工時間を縮めるためには、
・刃物を見直す(切削条件を見直す)
・加工方法を変更する
・一度に複数の製品を加工する、多数個加工にする
・治具に製品を速くセットする方法を考える

…などが考えられます。
品質とのかねあいもあるので、初心者には判断が難しいのですが、挑戦する価値はあります。

おすすめは、似たような製品で、今と昔の加工方法の違いを探すことです。
昔から加工している製品は、意外と加工方法が変更されていなかったりします。
そのため、よりよい加工方法が発明されていても、それが反映されていないことがあるのです。
資料をよく見て、そういう製品がないか探しましょう。
新しい加工方法を反映させることで、加工時間を短くできるかもしれません。
NCプログラムの勉強にもなりますし、先輩たちが試行錯誤した足跡をたどることも出来ます。
ただし、加工方法が変更されていないのは、思わぬ理由があることも。(加工を変更するときは、顧客に報告が必要なこともあるのです)
必ず、先輩や上司に相談しながら改善しましょう。


☆リードタイムを縮める
段取者でいうと、図面やCADモデルを渡されてから、1個目の製品を完成させるまでの時間を縮めることです。
納期を短く設定できるので、営業さんも大助かりです。
仕事の少ない今、一番大切なことかもしれません。

しかし、組織的な問題や、部署間の連携が大きく影響するため、個人で出来る改善は、限られてしまいます。
技量を磨いて仕事が速くできるようにしたり、簡略化できる作業がないか探すなど、地道な積み重ねになると思います。

また、前工程・後工程への気配りも、結果的に納期を縮める効果があります。
検査がしやすいように資料を揃えたり、製品の向きを変更したり。
手仕上げが少なくなるよう、機械加工を工夫したり。
他部署の人と仲良くなっていれば、思わぬ会話の中に、改善のヒントを見つける時もあります。
会社内の連携が良くなれば、納期短縮にもつながるので、気配りを意識しましょう。


☆品質を安定させる
製造業において、品質とは「顧客の要求を全て満たすこと」だと思います。
それ以上でも以下でもないのですが、そもそも顧客の要求が厳しいので、とても大変です(泣)。

段取者でいうと、品質とは「不良を出さない」ことにつきると思います。
改善としては、ミスをしない工夫と、製品の寸法が安定する加工方法の追求の2つがあります。
利益が出るタイプの改善ではないので、地味になりますが、どちらも大切な改善です。

ミスをしない工夫には
・資料にわかりにくい点がないか見直す
・セットミスが発生しないか、治具を検証する
・整理整頓をする

などが考えられます。
ベテランの方は、長年の経験で、ミスをしない工夫を無意識のうちに実行しています。
先輩の行動を観察してみるのも、よい参考になります。

製品の寸法が安定する加工方法の追求には
・刃物を見直す(切削条件を見直す)
・加工方法を変更する
・加工後の検査項目を検証する

などが考えられます。
「加工時間を短くする」のと似た工夫が必要で、同じように難しい判断になります。
しかも、品質を安定させようとすると加工時間が長くなってしまったり、加工時間を短くすると品質が安定しなくなることがよくあります。
両立させるのが、とても難しいのです。


☆経費を節約する
電気代や、水道代、工具の費用や、マシニングセンターの切削油…。
工場は、たくさんのお金を消費して、動いています。
それらを節約すれば、大きな改善になります。
改善によって、節約できたお金も、計算できるので、評価されやすいのが特徴です。

例を挙げると
・機械の油漏れを直す(=油の消費量を減らす)
・刃物を摩耗の少ないものや、安いものに変更する
・工場内の室温の変化を抑える(=冷暖房の電気代を抑える)

などがあります。
刃物や消耗品は、想像しているよりもずっと高いことがあります。
カタログやAmazonで値段を確認してみると、改善効果の高さがわかると思います。


☆整理整頓をする
整理整頓も、立派な改善です。
費用効果がわかりにくいので、軽視されてしまうこともありますが、一番実施しやすいので、積極的に行動しましょう。
作業のミスを減らしたり、現場の危険を取り除くことが出来ます。
管理者の方には、他の改善よりもわかりやすいせいか、予想外の高評価を得ることもあります(笑)。

ポイントは、色分けです。
資料や工具を同じ色で統一したり、道具と置き場を同じ色にすることが考えられます。
見ただけでわかりやすく、間違いも起こりにくくなるので、効果が大きいです。

オイルのタンクと、機械の油口を同じ色にすると、間違った油を入れる失敗がなくなります。
同じ製品に使う刃物は、同じ色のテープを巻いて管理しておくと、探すのが楽になります。
その他、私はボルトのサイズを見ただけではわからないので、サイズごとに色を決めて、レンチとボルトの色を統一したらいいのに…と考えました。
しかし、製品に色うつりするといけないので、却下されてしまいました。
何か良いアイディアがあったら、応用してみてください…。

その他、掃除を念入りにしていると、整理整頓の改善アイディアが思いつくこともあります。
いつもとは違う視点で、現場を見ることが出来るからです。
仕事がないけれど、改善も思いつかない…という時は、とりあえず掃除です!
ぼんやりしているのとでは、周りの評価も違ってきます。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

改善は、初心者の方が思いつきやすいかもしれません。
仕事に慣れてしまうと、いつものやり方が、当たり前になってしまうからです。
仕事のやりにくいところや、わかりにくいところを、思い出してみましょう。
細かい改善も、たくさん行なえば大きな効果を生みます。

最後に注意点ですが、改善を実施する時は、連絡と相談を忘れずに!
上司に対してはもちろんですが、出来れば、該当する人全員に話しましょう。
自分にとっては便利になっても、他の作業者には不便になってしまうことがよくあります。
また、いつもやっていた作業が変更になることを、快く思わない人がいるかもしれません。
逆に、事前に相談すれば、よりよいアイディアをもらえることもあります。
職場の人間関係を大切にしましょう。

景気が悪いと、職場の空気が悪くなって来ると思いますが、改善がその突破口になるといいですね。
厳しいご時世ですが、頑張っていきましょう!


…今月は仕事があるかな〜?
posted by center drill at 17:09 | Comment(0) | コラム
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