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私が切削加工の現場に勤めることになった経緯です。
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金属加工の仕事をする上で知っておきたい基礎知識。
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もはや製造現場でも必須アイテムとなっているPCのお話です。
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初心者が苦労する、専門用語の解説です。
・おすすめの本
こんなブログではなくて、もっとちゃんとした知識を手に入れたい!
…という方にオススメ(笑)。
ためになる勉強本の紹介です。
・コラム
仕事をしているうちに気が付いたことなどを、コラム形式でまとめてみました。

工具カタログは優れた参考書

金属切削加工について知識を得たいと考えた場合、
一番無難なのは、専門書を探す事です。
初心者向けから、学術書に近いものまで、様々な本が存在します。
しかし、残念ながら、値段が高い!

そこで、とりあえず知識を得る本として、
工具カタログをお薦めします。
ドリルやエンドミルなど、刃物のカタログです。
たぶん職場に、山のようにあるはずです。

新人の頃は、刃物の購入まで権限がないと思いますし、
加工は、なるべく現場にある刃物で済ませるのが基本です。
その結果、
カタログを手にした事のない人も、多いのではないでしょうか?

実は工具カタログには、刃物の紹介以外に、
様々な情報が書き込まれているのです。
特に注目したいのが巻末で、切削条件表や金属の性質、
被削材が削れない場合のトラブルシューティングなど、
メーカーや販売店ごとに、工夫が凝らされています。

現場に即した情報が多いので、とても勉強になるのです。
仕事の合間に時間が出来たら、試しに眺めてみてください。
気に入ったカタログがあったら、工具店の営業さんに頼んだり、
展示会で貰って、自分用にするのも悪くありません。
メーカーの営業の方にも喜ばれるので、
仲良くなるきっかけになるかもしれません。

ベテランの方も、カタログはよく読んでいます。
型番やページまで暗記していて、時々畏怖の念を抱きます(笑)。

ちなみに私のお気に入りは、ミスミの「Tool-Direct」です。
かなり情報が充実しているので、読み応えがあります。
posted by center drill at 14:55 | Comment(15) | コラム

NCプログラムに便利な秀丸機能その4

<「NCプログラムに便利な秀丸機能その3」へ

「NCプログラムに便利な秀丸機能その2」
続きから解説します。

この記事からスタートする場合は、
↓こちらのデータをご利用ください。
003.txt

NCプログラムのパスで、G2とG3の、
円弧切削の送りを「F100.」に落とす所まで編集しました。
あとは、G1の末尾に、「F200.」を追加すれば、
曲線部分だけ、送りを落とすプログラムとなります。

G2 X-47. Y25. R3. F100.
G1 X-42. F200.
G2 X-40. Y23. R2. F100.
G1 Y-8. F200.
G3 X-38. Y-10. R2. F100.
・・・・・

<秀丸マクロを体験してみる>
この編集に、秀丸マクロを使用します。
G1が1行置きに出現する点に着目し、
機械的に入力する方法を考えます。

まずは、13行目のブロックの末尾にカーソルを合わせてください。
最初に、「F200.」を追加する場所です。
13行目のブロックの末尾にカーソルを合わせる

この状態で、「マクロ」→「キー操作の記録開始/終了」を選びます。
「マクロ」→「キー操作の記録開始/終了」

すると、「記録中!」になります。
キーボードで、「 F200.」(半角スペース、エフ、にひゃく、ドット)と
入力してください。
記録中になったら、「 F200.」と入力

続けて、「→」「↓」「↓」「←」と入力し、カーソルを移動します。
(ゲームのコマンド入力みたいですね…)
「→」「↓」「↓」「←」

カーソルが、2行下、15行目の末尾に来たら、
「マクロ」→「キー操作の記録開始/終了」を選んで、
記録を終了します。
カーソルを移動したら、キー操作の記録終了

ここまでの操作を記録する事が出来ました。
記録した操作を再生してみましょう。
「マクロ」→「キー操作の再生」です。
「マクロ」→「キー操作の再生」

すると、先ほど入力した、
「 F200.」と「→」「↓」「↓」「←」が再現されます!
一瞬で、入力が再現!

この「キー操作の再生」は、Shift+F2キーでも実行できるので、
連射すれば、あっという間に「 F200.」が追加されます。
Shift+F2キーを連射!

一度記録したキー操作は、「マクロ」→「キー操作の保存」で、
保存しておく事が出来ます。
「マクロ」→「キー操作の保存」

保存場所が表示されるので、覚えておきましょう。
キー操作の保存

保存したデータは、「*.MAC」というファイル形式で保存され、
NCプログラムと同じように、
テキストとして編集が可能になっています。
デフォルトだと、「C:\Program Files\Hidemaru」に保存されます。
秀丸エディタで開いてみましょう。
マクロファイルを開く

先ほどキー入力した、「 F200.」や、
「right」など、キーボードによるカーソル移動が記録されています。
キー操作を保存した、マクロファイル

書式を覚えてしまえば、これを直接編集して、
複雑な操作まで、自動化することが出来ます。
これが、秀丸のマクロ機能です。
NCプログラムにも、マクロ機能がありますが、要領は同じです。
秀丸マクロでも、変数を使ったり、条件分岐など、
かなり複雑な操作が可能となっています。

今回は、ごくごく単純で、応用も利かなそうな(すみません)内容しか
紹介できませんでしたが、
工夫次第で、NCプログラムの編集を、劇的に速くすることができます。
高性能のテキストエディタには、秀丸に限らず、
このようなマクロ機能が付いている事が多いです。
ヘルプなどを参照し、研究してみてください。

秀丸マクロの場合、「マクロ」→「マクロヘルプ」から確認できます。
解説もわかりやすいので、お勧めです。
「マクロ」→「マクロヘルプ」


>「NCプログラムに便利な秀丸機能その1」へ戻る
posted by center drill at 14:49 | Comment(0) | パソコン関係

NCプログラムに便利な秀丸機能その3

<「NC プログラムに便利な秀丸機能その2」へ

<複数のファイルを一度に置換する方法>
マクロ機能の紹介の前に、
置換機能を、もうひとつだけ紹介しておきます。

NCプログラムは、大きなものになると、
サブプログラムが複数存在する事もあります。
また、改善活動などで、
既存のNCプログラムをまとめて修正する事もあると思います。

そんなときに便利なのが、秀丸エディタの「grepして置換」です。
「検索」→「grepして置換」を選択してください。
「検索」→「grepして置換」

この機能は、指定したフォルダ内のファイルを、
まとめて置換する事が出来ます。
置換したファイルは、上書き保存されてしまうので、
必ずバックアップをとってから実行してください。

ウィンドウが開いたら、検索する文字と、置換する文字を入力します。
grepして置換ウィンドウ

次に、検索するファイルの条件です。
右のアイコンから、ファイルの種類を選択します。
検索するファイル選択

余計なファイルがなければ、「すべてのファイル」で良いと思います。
「*.nc」と直接入力すれば、NCファイルだけを指定する事も出来ます。

次は、フォルダの選択です。
一度に置換したいファイルの入ったフォルダを指定します。
右のアイコンをクリックして、フォルダを選びましょう。
検索するフォルダ

あとは、細かい設定をチェックボックスで確認し、
「置換」をクリックです。
置換開始

確認画面が出るので、良ければ、チェックボックスをクリックして、
「OK」を選択してください。
フォルダの指定を間違えると、大惨事になりかねないので、
確認をお忘れ無く!
確認画面

置換が実行されると、レポートが表示されます。
置換レポート

これで完了です。
「grepして置換」をうまく使えば、作業効率が飛躍的にアップします。
しかし、使い方を間違えると、
意図しないファイルを書き換えてしまうので、注意してください。


<比較的安全な複数ファイル置換>
もし、怖い場合は、もう少し穏やかな方法もあります。
まずは、置換したいファイルを全て、秀丸エディタで開いてください。
複数のファイルを開く

そして、通常の置換機能を選択します。
「検索」→「置換」

ここで、「次の秀丸エディタも続けて置換」をチェックするのです。
「次の秀丸エディタも続けて置換」をチェック

これで置換を実行すると、開いているファイル全てを置換できます。
いきなり上書き保存もされないので、安心です。
数が多いと大変ですが、今のパソコンなら、
30個くらいファイルを開いても、全然問題ありません。
安全を重視するなら、こちらをお勧めします。


>「NCプログラムに便利な秀丸機能その4」へ

posted by center drill at 10:14 | Comment(0) | パソコン関係

NCプログラムに便利な秀丸機能その2

<「NCプログラムに便利な秀丸機能その1」へ

引き続き、秀丸エディタで、
NCプログラムを置換してみたいと思います。
前回使ったデータから、
シーケンスナンバーを削除したものを使います。

この記事からスタートする場合は、
↓こちらをご利用ください。
002.txt

さて、このNCプログラムですが、
ツールパスをを図示すると、こんな感じです。
置換用NCプログラムのツールパス
直線と円弧が交互にあって、ぐにゃぐにゃ進みます。

こんな加工は無いと思いますが、これを仮に加工したとして、
円弧部分の送り速度が、速すぎるという結果になったとします。
そこで、円弧部分の送りをF200から、F100に落とす事にします。

G2 X-47. Y25. R3. F100.
G1 X-42. F200.
G2 X-40. Y23. R2. F100.
G1 Y-8. F200.
G3 X-38. Y-10. R2. F100.
・・・・・

…というように、直線と円弧で、
送りF200、F100を、交互に追加します。
直接入力していく事も出来ますが、数が多いと大変です。
置換機能を使って、素早く編集してみましょう。

ここでは、円弧切削の、G2とG3の行に、
F100を追加する方法を考えます。

<改行を検索・置換の対象にする>
前回も使った、置換機能の「正規表現」ですが、
これを使うと、改行も検索対象にする事が出来ます。

改行は、「¥n」です。
「¥」は、本当は半角です。
コピーする場合は、こちら→「\n」。
¥の半角記号は、ブログでうまく表示できないみたいです。

今回のプログラムの場合、G1と、G2またはG3が繰り返しなので、
G1の前にF100を追加すれば、うまくいきそうです。

「置換」機能で、「正規表現」にチェック、
改行コードを置換する

検索に「¥nG1」
置換に「 F100.¥nG1」
(¥は半角で)
検索と置換
と入力してください。

これで、全置換をクリックすれば、
F100が追加される
「F100.」を、一気に追加できます。

ただし、「全置換」だと冒頭の、Zを降ろすG1の前まで、
「F100.」が追加されてしまいました。
冒頭までF100が追加されてしまう。

これが嫌な時は、やり直して、
問題のG1よりもあと、11行目辺りにカーソルを当てて、
「下検索」を使うと良いでしょう。
下検索を使う

これだと、1カ所しか置換してくれませんが、
その後に、F3キーを連打すれば、連続で置換してくれます。



残りは、G2とG3を対象に置換機能を使い、
同じように、G1の行へ「F200.」を追加すればOKです。
しかし今回の紹介では、「マクロ」機能についても解説したいので、
残りの編集は、次回に持ち越ししたいと思います。


秀丸エディタの「置換」機能は、
かなり複雑な編集も可能となっています。
ヘルプや、専門の解説サイトで、高度な使い方を覚えれば、
もっと入り組んだNCプログラムも、素早く編集できます。
興味のある方は、これを足がかりに、いろいろ調べてみてください。

>「NCプログラムに便利な秀丸機能その3」へ
posted by center drill at 11:41 | Comment(2) | パソコン関係

NCプログラムに便利な秀丸機能その1

テキストエディタ「秀丸エディタ」(有料なシェアウェア)を使った、
NCプログラムの編集に、役立ちそうなテクニックを紹介します。

今回は、適当に作ったNCプログラムを使って解説します。
テキスト形式で保存したので、ご利用ください。

↓こちら
001.txt

<シーケンスナンバーをまとめて消す>
さて、このNCプログラムですが、
各行に「N」で始まるシーケンスナンバー(番号)を割り振っています。
NCプログラム

あった方が便利な事も多いのですが、無くても動きます。
容量を少しでも小さくするため、消してしまおうと思います。
シーケンスナンバー

ここで、「置換」機能を使います。
メニューバーの「検索」→「置換」です。
置換機能は、特定の文字列を一度に変換する機能です。
「検索」→「置換」

ここで、「正規表現」にチェックを入れてください。
置換ウインドウの正規表現をチェック

そして、検索に
N...
と入力してください。
「エヌ、ドット、ドット、ドット、スペース」です。
置換には、何も入力しません。
そして、「全置換」をクリックです。

これで、一気にシーケンスナンバーを削除できました!
置換で、シーケンスナンバー削除

「正規表現」というのは、半角記号に意味を持たせて、
複雑な文字検索を行なう機能です。
正規表現にチェックを入れていると、
「.(ドット)」は、「任意の1文字」を意味します。
つまり、「N... 」は、「Nから始まる3文字と、半角スペース」で、
置換欄は何も入力していないので、
該当する文字列を全部削除したのです。

ちなみに「検索」機能で、「正規表現」を使えば、
検索で「正規表現」

該当する文字列全てが、黄色に表示されるので、確認に使えます。
検索した文字が黄色に

>「NCプログラムに便利な秀丸機能その2」へ
posted by center drill at 12:41 | Comment(0) | パソコン関係

製造業の魅力を語る!?

「おすすめの本」カテゴリとは少し違うので、
コラムとして、漫画を紹介したいと思います。

「シブすぎ技術に男泣き!」見ル野栄司


製造業に勤めていた作者が、
ものづくりの魅力を語る、コミックエッセイです。

この業界ならではの、「あるある」話が面白いです。
作者は、機械設計などをされていた方で、
金属加工に関する話は、ほとんど出て来ません。
(「ボール盤」の回だけ、すごく共感できます)
それでも、似た空気を知っているだけに、より楽しめると思います。


最近は、TVのトーク番組「アメトーーク」で、
「町工場芸人」がテーマになるなど、
製造業のネタが、一般に取り上げられて、嬉しいです。
(4月1日の特番で、再び「町工場芸人」をやるようです)

もっとも、ものづくりの世界をを知らない人たちに、
ちゃんと伝わるのかは、微妙なのですが…。

NHKで金属加工の工場を紹介している番組を、両親に見せても、
私のしている仕事を、あまり理解してもらえなかった、
…という、苦い経験があります。
何故か、飛行機を造っていると、思われています。
無念。
posted by center drill at 23:57 | Comment(0) | コラム

バリ

のこぎりで木を切ると、切り口にささくれが残ります。
これと同様に、金属を削るときにも、加工面と端面の境界に、
ささくれが出ます。
これを、バリと言います。
プラモデルを作る人には、おなじみの言葉だと思います。

切削加工をするとき、バリは必ず出るものだと思った方が良いです。
面取り加工を施せば、バリを最小限に抑えることが出来るのですが、
それでも無くなるわけではありません。

特に、目に見えないくらい細かいバリはやっかいで、
気がつかずに計測器具で測ると、大きな誤差を生みます。
計測器具を使うときは、計測面にバリがないか、指で触って確かめましょう。
(人間の手は、想像以上に精度の良いセンサーです)

同様に、機械に被削材をセットするときも、バリが原因で固定が狂うことがあります。


基本的には、バリは機械加工が終わった後、
手作業でペーパー(サンドペーパー)等を使って落とすことになります。
しかし、場合によっては、手作業が難しかったり、
製品の性質上機械加工のみの工程を求められることもあります。

そういう場合には、機械加工を工夫して、バリの出づらい加工を
目指さなくはなりません。
切れ味の良い刃物に変更したり、工具の切削条件を変更すると、
バリを抑えられる場合があります。

また、加工パスを変えるだけでも効果があります。
カッターの場合、端面ギリギリに刃が来るようなパスにするだけで、
バリの出が変わったりします。
面の加工順を変えるのも、有効な場合があります。
色々と工夫してみましょう。


また、バリは刃物の摩耗具合を知る目安となります。
加工後の被削材に、バリが目立ってきたら、刃物交換のサインです。
加工が終わったら、バリの確認をする習慣をつけることが、
品質安定の為に、とても重要なポイントなのです。
posted by center drill at 09:29 | Comment(0) | 用語解説

ダウンカットとアップカット

エンドミルなどで側面加工をするときの話です。
エンドミルによる側面削り

通常の刃物はM03で正回転させて加工させます。
上から見ると、時計回りです。
刃物を上から見ると時計回り


主軸の移動方向と、刃物の方向が同じになる加工を
アップカットと言います。
アップカット
正回転の時は右側通行です。

逆に、主軸の移動方向と、刃物の方向が逆になる加工を
ダウンカットと言います。
ダウンカット
正回転の時は左側通行です。

刃物の回転が逆になれば、当然逆になるのですが、
特殊な刃物以外はほとんど時計回りなので、
この2パターンだけ抑えておけば問題ないと思います。

つまり、
・被削材に対して側通行なら、アップカット(GコードはG42)
・被削材に対して側通行なら、ダウンカット(GコードはG41)
これだけ覚えておきましょう。

特徴としては、
アップカットで削ると加工面の仕上がりが綺麗で、
ダウンカットで削ると刃物の摩耗が少ないという傾向にあるようです。

私の勤めている職場では、9割方ダウンカットで削っています。
加工面の仕上がりが悪い時など、特殊な時だけアップカットを試します。
(ダウンカットでも綺麗に削れることが多いので、
刃物の摩耗を優先させているのだと思います)
これは、職場の方針などで違うケースもあると思います。
先輩など分かる人に聞いてみましょう。

GコードのG41とG42は工具径補正と言います。
詳しくはNCプログラムの項目で解説しますが、
刃物の径をマシニングセンターに計算させて、加工パスを作るときに使います。
とりあえずは、左側通行だったらG41とだけ覚えておけば充分です。
タグ:gコード
posted by center drill at 12:25 | Comment(0) | 基礎知識

工具カタログを利用した、切削条件の求め方

ここでは、工具メーカーのカタログを利用した、切削条件の求め方を解説します。
メーカーのサイトに用意されている、電子カタログを元に解説します。
実際にリンク先を確認しながら、読んでいただければ幸いです。
(リンク先のカタログの解説は2009年11月現在のものです。
変更になる場合がありますので、ご了承下さい)

※加工する被削材の材質はアルミとします。


まずは、φ10のエンドミルを使う場合を考えてみましょう。
オーエスジーの「MG-EDS」という製品で考えてみます。
2枚刃のショートエンドミルです。
オーエスジー(株) OSG 超硬エンドミル MG-EDS-3-2.7 ソリッド型超硬エンドミル

ミーリング工具カタログの2009-2010年版だと、157〜158ページにあるのですが…PDFだと、探すのが大変ですね。

ネットからだと、「カタログ検索」のエンドミルから、
工具形状を「スクエア(通常形)」→「スクエア」
表面処理を「ノンコーディング」(他はデフォルト)で「次へ」、
外形を「10」と入力して検索すれば、表示されると思います。
ここで切削条件一覧も表示されるので、確認してみてください。
(カタログの場合は、520ページです)

「呼び」というのが工具径のことなので、φ10でアルミ合金の条件を確認すると、
主軸回転数が3150、送りが300であることがわかります。
そのものズバリなので、この切削条件でNCプログラムを組めば、比較的無難に削れるはずです。

せっかくなので、切削速度と一刃あたりの送りを計算してみましょう。
計算式は、「切削条件 計算のまとめ」のとおりです。

切削速度は
計算式「切削速度=主軸回転数×直径×π÷1000」
切削速度 = 主軸回転数 × 直径 × π ÷ 1000ですから、

3150 × 10 × π ÷ 1000 = 約99 m/min

切削速度は、おおよそ100メーターくらいを推奨しているようです。

一刃あたりの送りは、
一刃当たりの送り=送り÷主軸回転数÷刃数
一刃当たりの送り = 送り ÷ 主軸回転数 ÷ 刃数なので、

300 ÷ 3150 ÷ 2枚刃 = 約0.05

であることがわかります。
切削速度と一刃あたりの送りは、計算しなくても加工できますが、習慣をつけておくことをおすすめします。
「アルミを加工するときのエンドミルは切削速度が100メーターくらい」
という知識は、繰り返し計算をしていないと、なかなか身につかないからです。



次は、φ80の正面フライスを考えてみましょう。

MITSUBISHIさんにも、WEBカタログという非常に凝ったコンテンツが用意されています。
今回使う工具は、画面上部の「回転工具」→「正面フライス」を選択し、左に表示される一覧から、「BF407形」をクリックしてください。

今回は直径80ミリの工具ですから、一覧の一番上の「BF407R0305C」という製品を使うことになります。
刃数は5枚ですね。

このヘッドに、チップ式の刃を取り付けて、使用するわけです。
チップ式なので、数種類のチップを用途に分けて変更することが可能です。
候補となるチップは、画面一番下の「インサート」の表にあります。
「超硬」とか「PCD」とかありますが、これはチップの材質です。
「PCD」はダイヤモンド焼結体のことらしいので、仕上げ用に使うことが多いように思います。
ここでは通常使用を考えているので、適当に一番上の「SFAN1203ZFFR2」を選ぶことにします。
黒丸●をクリックすると、チップ(インサート)の切削条件が表示されます。

アルミを加工するのですが…えーと、種類がいくつかありますね…。
特に考えていなかったのですが、ハードな被削材は想定していないので、一番上のA6061相当で良いと思います。

切削速度が700m/min(状況に応じて、400〜1000m/minでも可)
送りが一刃あたり0.15mm(状況に応じて、0.1〜0.25でも可)とあります。

正面フライスの場合、チップ(インサート)によって、切削条件が変わります。
しかし、チップは取り外し式なので、ヘッドの径によって、主軸回転数や実際の送りは変化してしまいます。
そこで、切削速度と一刃あたりの送りが、推奨切削条件として、表示されているのです。

それでは、実際に計算してみましょう。

まずは主軸回転数です。
主軸回転数=切削速度×1000÷直径÷π
主軸回転数(S) = 切削速度 × 1000 ÷ 直径 ÷ πですから、

700m/min × 1000 ÷ φ80 ÷ π = 約2785(S)
となります。

主軸回転数が2785とわかれば、送りも計算できます。
送り=主軸回転数×刃数×一刃あたりの送り
送り = 主軸回転数 × 刃数 × 一刃あたりの送り なので、

2785(S) × 5枚 × 0.15mm = 約2089(F)
です。


以上が工具カタログから、切削条件を求める基本的な流れになります。
紹介したメーカー以外の場合も、ほとんど同じ流れで調べることが出来ると思います。
メーカーがわからない工具を使う場合は、似たような工具を参考にすれば、おおよその見当がつけられます。

ただし、メーカーの推奨条件が必ずしも正解とは限りません。
加工方法や被削材の剛性によって、大きく変化しますし、
会社の方針(マシニングセンターに負荷をかけないようにするか、加工時間短縮を優先するかなど)によっても、条件は変わってきます。
それぞれの会社が、それぞれの答えを、これまでの加工実績から蓄積しているはずです。
これが会社のノウハウであり、現場で働く人間の経験値なのだと思います。

実際の現場では、切削条件を決めたら、とりあえず削ってみて、加工中の音や加工後の面粗、刃物の摩耗具合などで、切削条件を少しずつ調整する…という繰り返しになります。
タグ:工具
posted by center drill at 22:40 | Comment(0) | 工具(刃物)について

おすすめの本「フライス盤のダンドリ」

フライス盤のダンドリ (技能ブックス 4)
技能士の友編集部

初版が昭和46年という、年季の入った専門書です。
私の手元にあるものは、なんと24版です。
それだけ多くの方が手に取り、参考にしてきたということでしょう。

非常に昔の本ですし、題名のとおり、フライス盤に関する解説が主です。
マシニングセンターで働くのには、そんなに役に立たないのでは?
…と思うかも知れませんが、そんなことはありません。
むしろ私はこの本を読むことで、日々の作業が、昔から確立されてきた技術の延長線上にあることを、強く感じさせられました。


仕事につき始めの頃、先輩の作業を後ろから見る日々が続きました。
職人気質の方が多いせいか、なかなか言葉では教えてくれません。
そんな先輩方が、本当に伝えたかったのはこれだったのかと、今更ながらに気づかされる、飲み込みの悪い後輩の私なのでした。

…まあ、身体にしみこませるように覚えた方がよい作業も多いので、後ろでじっと見る日々も重要だったと思うのですが。
それでも、「理屈」を解説してくれるものがあれば、理解も早まるというものです。
現場の参考書として、大きな手助けになる一冊と言えるでしょう。


内容としては、
被削材の固定方法や芯出しなど、基本的な作業の方法と理屈、
面削や穴あけといった加工方法の解説が、特に参考になりました。

刃物の切り込みや、金属の材質などについても網羅されているので、基礎知識もばっちりです。
この辺りは、わからなくても、普段の作業には支障が少ないから、おろそかにしがちな分野です。
本でないと、なかなか理解する機会のない知識と言えるでしょう。


あと圧巻だったのは、「くさり削り」として紹介されている、継ぎ目のない鎖の加工方法です。
どちらかというと、マシニングセンターでは不向きな加工になりますが、フライス盤で鎖形状を加工してしまうというのは驚きでした。
これぞ職人、といった内容です。


現場作業を軸に、段取作業を極めたい!という方の最初の一歩にお薦めの一冊です。

CAMでNCプログラムを作成して、機械操作はボタンを押すだけ、という作業がメインの場合、すぐに役に立つ内容では無いかもしれません。
しかし、工程設計や治具設計まで任される立場になると、途端に必要となる知識だと思われます。


最後に、この本はpokoさんから、ご紹介を頂きました。
とても参考になりました。
ありがとうございました。
posted by center drill at 15:37 | Comment(0) | おすすめの本