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・はじめに
私が切削加工の現場に勤めることになった経緯です。
・基礎知識
金属加工の仕事をする上で知っておきたい基礎知識。
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切削加工の機械を動かすためのプログラム、NCプログラムの解説です。
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金属を削るための刃物について。
・内段取り作業
実際に機械を動かして、製品を加工するまでの手順です。
・パソコン関係
もはや製造現場でも必須アイテムとなっているPCのお話です。
・用語解説
初心者が苦労する、専門用語の解説です。
・おすすめの本
こんなブログではなくて、もっとちゃんとした知識を手に入れたい!
…という方にオススメ(笑)。
ためになる勉強本の紹介です。
・コラム
仕事をしているうちに気が付いたことなどを、コラム形式でまとめてみました。

三角関数をマスターしよう その3

<「三角関数をマスターしよう その2」へ

角度を求めるアークサイン・・・なにそれ?


次は角度の求め方です。
直角二等辺三角形の2辺がわかれば、角度も判明してしまうのです。

使うのは、
逆三角関数のアークサイン、アークコサイン、アークタンジェントです。

θ=sin-1(y÷r)、θ=cos-1(x÷r)、θ=tan-1(y÷x)

記号で言うとそれぞれ、
arcsin(asin)またはsin-1
arccos(acos)またはcos-1
arctan(atan)またはtan-1
となります。
関数電卓をよーく探すと、どちらかの記号が見つかるはずです(機種によりますがshiftキーなどを押す必要があるかもしれません)。

さて、この「アーク」ですが、私は工場に勤めるまで知りませんでした。
高校数学では習わなかったような気がします。私が授業中に寝ていただけかもしれませんが。

新しい概念にたじろいでしまいましたが、使い方だけならそんなに難しくありません。

θ=sin-1(y÷r)
θ=sin-1(y÷r)

θ=cos-1(x÷r)
θ=cos-1(x÷r)

θ=tan-1(y÷x)
θ=tan-1(y÷x)

と関数電卓で打てば、角度が求められます。
rとxとyの関係は前に覚えたsin、cos、tanの基本公式と同じなので、使い方だけ覚えれば大丈夫です。

残るは三平方の定理


残るパターンは直角二等辺三角形の2辺から残りの1辺を計算する方法です。
といってもこれは中学校で習う三平方の定理(ピタゴラスの定理)で求めることができます。
こ、ここに来て三角関数が関係ないとは・・・!

r2=x2+y2

底辺の2乗と高さの2乗を足したものが斜辺の2乗と同じになるというものです。

各辺の求め方はこの公式を展開して

r=√(x2+y2)、x=√(r2−y2)、y=√(r2−x2)

つまり
r=√(x2+y2)
r=√(x2+y2)

x=√(r2−y2)
x=√(r2−y2)

y=√(r2−x2)
y=√(r2−x2)

となります。ルートと2乗しか出てこないので、普通の計算機でも計算できますが、関数電卓の場合、括弧()が使えるので、1度に計算できます。

以上が直角三角形の角度と辺を求める12個の式です。
三角関数の基本公式3つと三平方の定理を暗記して、そこから式を展開しても良いですし、全部丸暗記でもかまいません。
自分に合った方法で、三角関数マスターを目指してください。

マスターする上で大切なことは計算を間違えないことです。
斜辺よりも底辺や高さが長くなることはないとか、三角形の見た目からしてこの角度が20°になるはずが無いなど、いろいろな方法でチェックする癖をつけましょう。
幸い三角関数は検算がたくさんできます。(例えば斜辺の答えを出したら、その斜辺の答えを元に、底辺と高さと角度を求めて合っているか確認できます)
もし、おかしいと感じたら、機械を動かす前に、もう一度確認しましょう。
ネットで三角関数の公式を再確認しても良いですし、CADで描いて長さを確認する方法もあります。
「お忙しいところすみません!」と断って、先輩や同僚にチェックしてもらうのもアリです。
大切な加工品やマシニングセンターをダメにしてしまうことが無いよう、答えに間違えがないと断言できるまで確認することが大切です。

工業の図面には、至る所に直角三角形が隠れています。三角関数を使って、表示されていない不親切な辺の長さや角度をどんどん暴いてやりましょう。

三角関数のまとめ


ここまで読んでくださった方のために、便利な一覧表をご用意しました。

三角関数一覧表
※クリックすると、少し大きめに表示されます。

印刷して使えるPDFバージョンはこちら

紙を見ながらだと、どうしても計算が遅くなってしまうので、最終的にはこの一覧表を利用しないで計算できるようになって下さい。
そのため、使っていると恥ずかしい「三角関数カンニングペーパー」という題名にしておきました。
三角関数計算【工業用】特訓ツール」を使って、早く手放せるように何度も練習して下さい。

…さらに、答え合わせ用のツールとして、「【工業用】三角関数計算ツール」というWebアプリも作ってみました。
計算練習の答え合わせにご利用下さい。

※これらのツールやサイトの情報を利用したことによって問題が発生したとしても、申し訳ございませんが責任をとることはできません。
 くどいですが、工作機械が壊れてしまったり、製品が不良品になってしまったら大変です。
 おかしいと思ったら先輩に相談するなど、必ず2重チェックを行なって下さい。

posted by center drill at 15:17 | Comment(0) | 基礎知識

三角関数をマスターしよう その2

<「三角関数をマスターしよう その1」へ

直角三角形の計算は12パターン


三角関数の計算を方法を解説する前に知っておいて頂きたいのは、工場で必要になる三角関数の計算は「全部で12パターンしかない」と言うことです。
直角三角形の3辺と直角以外の角度を合わせた4つの要素のうち2つを選ぶ組み合わせが12種類しかないのです。

全部で12パターン

12パターンも覚えられないよ、と思うかもしれませんが、計算式は非常に単純なものばかりです。
さらに公式を覚えられればもっと少ない数で済みます。
仮にどうしても数学が苦手という方も、最後の手段として12パターン全暗記で乗り切れるのです。
計算は関数電卓がやってくれます。入力の仕方さえ覚えてしまえば、すごい仕事のできる先輩とも(三角関数の計算速度だけは)差が無くなってしまいます。
こんなに簡単にレベルアップできる技術はそんなにありません。苦手だからといって諦めずにマスターしてください。

※「直角三角形の3辺と直角以外の角度の4つの要素」…直角以外の角度は2つありますが、三角形の内角の和は180°なので、1つがわかれば残りもわかります(180° - 90° - θ=残りの角度)。なので角度は1つの要素として考え、「4つの要素」と表現しています。

直角三角形90°−もう片方の角度で計算可能

直角三角形の部位の名称


まずは直角三角形の各部位の名前から。
このサイトでは3辺を「底辺」「高さ」「斜辺」と呼びます。

斜辺(r)、底辺(x)、高さ(y)

これはローカルな呼び名ですが、「底辺」と「高さ」が小学生で習う三角形の面積でおなじみの名称なので覚えやすい気がします。
「斜辺」は正式名称っぽいのですが、漢字からも「斜めの辺」とわかるので採用です。
アルファベットで表すときは「底辺=x」「高さ=y」「斜辺=r」とします。
このアルファベットは数学の2次元座標を根拠にしています(rは斜辺を半径に見立てことができるから)が、これも正式かというとそうでもないようなので、とりあえずの記号とさせてください。

ここで重要なのが、左側の角度がθ、右下が直角となるようにすることです。
この位置関係を間違えると、計算しても正しい答えがでません。

向きが重要!

必ず向きと位置を同じにしてください。
練習中は、完全に覚えるまではこの向き固定にしましょう。
実践の場合も回転させたり反転させたりして、同じ位置関係になるよう合わせてから計算するようにします。
慣れないうちは毎回紙に書いて、位置関係を間違えていないか確認した方が良いでしょう。
私は今も不安になると紙を利用しています。

まずはサインコサインタンジェントの位置を覚える


この直角三角形の角にsin(サイン)、cos(コサイン)、tan(タンジェント)の頭文字を筆記体にしたアルファベットをあてがいます。

上の角が「s」、左が「c」、右が「t」

参考書などでもよく見かける図ですが、まずはこれを暗記してください。
何も見ずに描けるまで何度も練習してください。直角とθも忘れずに。

いきなり筆記体って何だよって感じのこじつけですが、これを覚えると、sin、cos、tanの使い方をすぐに思い出すことができるので便利です。

高さyと斜辺rが関わるときはsin
rとyを使うときはsin

底辺xと斜辺rが関わるときはcos
rとxを使うときはcos

高さyと底辺xが関わるときはtan
xとyを使うときはtan

となります。

三角関数の記号を間違えないために


更に高さyが一番上、斜辺rが一番下のこんな階層を覚えてください。

y、x、rの順

これを覚えておくと、三角関数の基本公式で混乱することが無くなります。

tanθ=y÷x、sinθ=y÷r、cosθ=x÷r、
yが上、rが下

割り算では、yが必ず上、rが必ず下になります。

三角関数の公式の使い方


この3つの公式を使えば、直角以外の角と1辺から残りの2辺を計算できるようになります。

yとθが判明していれば
x = y÷tanθ
r = y÷sinθ
x = y÷tanθ、r = y÷sinθ


xとθが判明していれば
y = tanθ×x
r = x÷cosθ
y = tanθ×x、r = x÷cosθ

rとθが判明していれば
y = sinθ×r
x = cosθ×r
y = sinθ×r 、x = cosθ×r

式の移動は大丈夫でしょうか。割り算の分母を式の反対側に移動するときは掛け算、掛け算されている値を式の反対側に移動させるときはその数で割ります。

式の両辺に同じ値をかけたり割ったりすることで移動させることができる

慣れるまではこれも紙に書いて丁寧に考えたほうが良いでしょう。
式の移動がどうしても理解しづらいときは、6パターンをそのまま覚えてしまうのも一つの手です。
完全に覚えてしまえば、公式を展開する手間がなくなるので、そのぶん速く計算できます。

ここまでわかれば、12パターンのうち半分の6パターンが完了です。
「三角関数計算【工業用】特訓ツール」を使って、練習してみて下さい。
(出題オプションの1〜6が対象です)

「三角関数をマスターしよう その3」へ>
posted by center drill at 10:31 | Comment(0) | 基礎知識

三角関数をマスターしよう その1

金属切削加工の段取り作業を行なう者にとって、避けて通れないのが三角関数です。

三角関数はsin,cos,tan

高校時代に数学の授業で習ったものの、覚えていないという方も多いのではないでしょうか。
特に数学があまり得意でなかった方には、高いハードルと感じてしまうかもしれません。
でも大丈夫です。難しい理屈を覚える必要はありません。
工具の使い方を覚えるように、仕事に必要な計算方法だけ身につければOKです。
何度も繰り返し使っていれば、いつの間にか自然とこなせるようになるはずです。
焦らずにマスターしていきましょう!

そもそも三角関数なんて何に使うの?


三角関数は、傾斜(テーパー)とか角度が出没するときにお世話になります。
工業製品は複雑な形状でも大概は直線と円から成り立っています。
円と垂直の交わる所は垂直ばかりでは成り立たないので、図面に角度が記されます。
しかし、図面というのは最低限の数値しか書き込まれていないので、「この角度の付いた部分の長さはいくつなのだろう?」という部分がたくさん出てきます。
マシニングセンターでNCプログラムを使って実際に金属を切削するときには、そういうよくわからない座標を全てはっきりさせておかなくてはなりません。
このような「角度」から「斜め」の点や長さを求めるのに、三角関数が必要になるのです。
(加工の際には工具の半径を考慮した径補正の確認にも三角関数は役立ちます)

更に言うと、加工が終わった後の検査も、図面通りに加工できたことを確認する必要があります。
ここでも同じように三角関数を使い、指示通りの加工が完成したことを証明しなければ、作業が完了しないのです。

三角関数でできること


ざっくり言うと、
「直角三角形の3辺と直角以外の角度のうち、2つの要素が解れば、残りを全て計算で割り出すことができる」
のが三角関数のすごい所です。
(厳密には三角関数の他に「三平方の定理」も使います)

直角三角形の4つの要素 角度θ,辺r,x,y

まあ、三角関数の深淵ははそんなものではない!と数学の先生に怒られそうですが、とりあえず工場の現場ではこれだけできれば大丈夫です。

関数電卓について


現場の必須アイテム」でも紹介しましたが、段取りにとって無くてはならない大切な道具です。



高校数学とは違い、工業の三角関数は小数点第3位などの有限小数で求めなくてはなりません。
関数電卓はそんな三角関数やπ(3.14...)の計算を一瞬で行なってくれる心強い味方です。
ホームセンターや家電量販店の電卓コーナーをよく見ると、やたらボタンの多い電卓が陳列されています。
値段はおよそ2,000〜3,000円くらいです。
おそらく「関数電卓」と名乗っている製品であれば、機能が足りないということは無いと思いますが、三角関数、逆三角関数に対応している表記くらいは確認おくと安心です。
メーカーによっても微妙に操作性が違うので、質問しやすい先輩に使っているメーカーを確認すると良いでしょう。
(先輩と同じメーカーにしておくと操作の質問がしやすいのですが、置きっぱなしにしたとき誰のかわからなくなるというのも、あるあるだったりします)
会社の方針等もあるかもしれないので、念のため聞いておくことをおすすめします。

あと、スマホアプリの「関数電卓」もあるようです。
勉強のみの目的であれば、試しに触ってみても良いと思うのですが、仕事で使うことが確実なら、アプリではなく本物の電卓購入を検討してください。
操作性が違うと、あとで本物の関数電卓を手にしたときに使いづらくなってしまう恐れがあります。
また、仕事中にスマホをいじっているのは、事情を知らない人が見たときに印象が悪くなってしまうので得策ではありません。
あと、数万円もするスマホを工場の過酷な環境で操作する機会はなるべく減らした方が方が良いでしょう。

工業用の三角関数計算を特訓できるページを用意しました!


繰り返しの練習ができるように、Webアプリっぽいページを用意しました。

三角関数計算【工業用】特訓ツール

(利用しているブログサービスでは実現が難しかったので、別サイトになります。ご了承ください)
ボタンを押すたびに問題が変わり、答えが表示されるというだけのシンプル設計です。
一応、スマホ対応で、一度読み込んだ後はデータ読み込みが無いので通信容量もあまり消費しません。
オプション設定で、出題内容も変えられるので、学習状況に応じて難易度変更が可能です。
全部チェックつけて、余裕で答えられるようになれば、(工業用の)三角関数マスターです。

三角関数計算【工業用】特訓ツール

「三角関数をマスターしよう その2」へ>
posted by center drill at 23:22 | Comment(0) | 基礎知識

工具カタログは優れた参考書

金属切削加工について知識を得たいと考えた場合、
一番無難なのは、専門書を探す事です。
初心者向けから、学術書に近いものまで、様々な本が存在します。
しかし、残念ながら、値段が高い!

そこで、とりあえず知識を得る本として、
工具カタログをお薦めします。
ドリルやエンドミルなど、刃物のカタログです。
たぶん職場に、山のようにあるはずです。

新人の頃は、刃物の購入まで権限がないと思いますし、
加工は、なるべく現場にある刃物で済ませるのが基本です。
その結果、
カタログを手にした事のない人も、多いのではないでしょうか?

実は工具カタログには、刃物の紹介以外に、
様々な情報が書き込まれているのです。
特に注目したいのが巻末で、切削条件表や金属の性質、
被削材が削れない場合のトラブルシューティングなど、
メーカーや販売店ごとに、工夫が凝らされています。

現場に即した情報が多いので、とても勉強になるのです。
仕事の合間に時間が出来たら、試しに眺めてみてください。
気に入ったカタログがあったら、工具店の営業さんに頼んだり、
展示会で貰って、自分用にするのも悪くありません。
メーカーの営業の方にも喜ばれるので、
仲良くなるきっかけになるかもしれません。

ベテランの方も、カタログはよく読んでいます。
型番やページまで暗記していて、時々畏怖の念を抱きます(笑)。

ちなみに私のお気に入りは、ミスミの「Tool-Direct」です。
かなり情報が充実しているので、読み応えがあります。
posted by center drill at 14:55 | Comment(15) | コラム

NCプログラムに便利な秀丸機能その4

<「NCプログラムに便利な秀丸機能その3」へ

「NCプログラムに便利な秀丸機能その2」
続きから解説します。

この記事からスタートする場合は、
↓こちらのデータをご利用ください。
003.txt

NCプログラムのパスで、G2とG3の、
円弧切削の送りを「F100.」に落とす所まで編集しました。
あとは、G1の末尾に、「F200.」を追加すれば、
曲線部分だけ、送りを落とすプログラムとなります。

G2 X-47. Y25. R3. F100.
G1 X-42. F200.
G2 X-40. Y23. R2. F100.
G1 Y-8. F200.
G3 X-38. Y-10. R2. F100.
・・・・・

<秀丸マクロを体験してみる>
この編集に、秀丸マクロを使用します。
G1が1行置きに出現する点に着目し、
機械的に入力する方法を考えます。

まずは、13行目のブロックの末尾にカーソルを合わせてください。
最初に、「F200.」を追加する場所です。
13行目のブロックの末尾にカーソルを合わせる

この状態で、「マクロ」→「キー操作の記録開始/終了」を選びます。
「マクロ」→「キー操作の記録開始/終了」

すると、「記録中!」になります。
キーボードで、「 F200.」(半角スペース、エフ、にひゃく、ドット)と
入力してください。
記録中になったら、「 F200.」と入力

続けて、「→」「↓」「↓」「←」と入力し、カーソルを移動します。
(ゲームのコマンド入力みたいですね…)
「→」「↓」「↓」「←」

カーソルが、2行下、15行目の末尾に来たら、
「マクロ」→「キー操作の記録開始/終了」を選んで、
記録を終了します。
カーソルを移動したら、キー操作の記録終了

ここまでの操作を記録する事が出来ました。
記録した操作を再生してみましょう。
「マクロ」→「キー操作の再生」です。
「マクロ」→「キー操作の再生」

すると、先ほど入力した、
「 F200.」と「→」「↓」「↓」「←」が再現されます!
一瞬で、入力が再現!

この「キー操作の再生」は、Shift+F2キーでも実行できるので、
連射すれば、あっという間に「 F200.」が追加されます。
Shift+F2キーを連射!

一度記録したキー操作は、「マクロ」→「キー操作の保存」で、
保存しておく事が出来ます。
「マクロ」→「キー操作の保存」

保存場所が表示されるので、覚えておきましょう。
キー操作の保存

保存したデータは、「*.MAC」というファイル形式で保存され、
NCプログラムと同じように、
テキストとして編集が可能になっています。
デフォルトだと、「C:\Program Files\Hidemaru」に保存されます。
秀丸エディタで開いてみましょう。
マクロファイルを開く

先ほどキー入力した、「 F200.」や、
「right」など、キーボードによるカーソル移動が記録されています。
キー操作を保存した、マクロファイル

書式を覚えてしまえば、これを直接編集して、
複雑な操作まで、自動化することが出来ます。
これが、秀丸のマクロ機能です。
NCプログラムにも、マクロ機能がありますが、要領は同じです。
秀丸マクロでも、変数を使ったり、条件分岐など、
かなり複雑な操作が可能となっています。

今回は、ごくごく単純で、応用も利かなそうな(すみません)内容しか
紹介できませんでしたが、
工夫次第で、NCプログラムの編集を、劇的に速くすることができます。
高性能のテキストエディタには、秀丸に限らず、
このようなマクロ機能が付いている事が多いです。
ヘルプなどを参照し、研究してみてください。

秀丸マクロの場合、「マクロ」→「マクロヘルプ」から確認できます。
解説もわかりやすいので、お勧めです。
「マクロ」→「マクロヘルプ」


>「NCプログラムに便利な秀丸機能その1」へ戻る
posted by center drill at 14:49 | Comment(0) | パソコン関係

NCプログラムに便利な秀丸機能その3

<「NC プログラムに便利な秀丸機能その2」へ

<複数のファイルを一度に置換する方法>
マクロ機能の紹介の前に、
置換機能を、もうひとつだけ紹介しておきます。

NCプログラムは、大きなものになると、
サブプログラムが複数存在する事もあります。
また、改善活動などで、
既存のNCプログラムをまとめて修正する事もあると思います。

そんなときに便利なのが、秀丸エディタの「grepして置換」です。
「検索」→「grepして置換」を選択してください。
「検索」→「grepして置換」

この機能は、指定したフォルダ内のファイルを、
まとめて置換する事が出来ます。
置換したファイルは、上書き保存されてしまうので、
必ずバックアップをとってから実行してください。

ウィンドウが開いたら、検索する文字と、置換する文字を入力します。
grepして置換ウィンドウ

次に、検索するファイルの条件です。
右のアイコンから、ファイルの種類を選択します。
検索するファイル選択

余計なファイルがなければ、「すべてのファイル」で良いと思います。
「*.nc」と直接入力すれば、NCファイルだけを指定する事も出来ます。

次は、フォルダの選択です。
一度に置換したいファイルの入ったフォルダを指定します。
右のアイコンをクリックして、フォルダを選びましょう。
検索するフォルダ

あとは、細かい設定をチェックボックスで確認し、
「置換」をクリックです。
置換開始

確認画面が出るので、良ければ、チェックボックスをクリックして、
「OK」を選択してください。
フォルダの指定を間違えると、大惨事になりかねないので、
確認をお忘れ無く!
確認画面

置換が実行されると、レポートが表示されます。
置換レポート

これで完了です。
「grepして置換」をうまく使えば、作業効率が飛躍的にアップします。
しかし、使い方を間違えると、
意図しないファイルを書き換えてしまうので、注意してください。


<比較的安全な複数ファイル置換>
もし、怖い場合は、もう少し穏やかな方法もあります。
まずは、置換したいファイルを全て、秀丸エディタで開いてください。
複数のファイルを開く

そして、通常の置換機能を選択します。
「検索」→「置換」

ここで、「次の秀丸エディタも続けて置換」をチェックするのです。
「次の秀丸エディタも続けて置換」をチェック

これで置換を実行すると、開いているファイル全てを置換できます。
いきなり上書き保存もされないので、安心です。
数が多いと大変ですが、今のパソコンなら、
30個くらいファイルを開いても、全然問題ありません。
安全を重視するなら、こちらをお勧めします。


>「NCプログラムに便利な秀丸機能その4」へ

posted by center drill at 10:14 | Comment(0) | パソコン関係

NCプログラムに便利な秀丸機能その2

<「NCプログラムに便利な秀丸機能その1」へ

引き続き、秀丸エディタで、
NCプログラムを置換してみたいと思います。
前回使ったデータから、
シーケンスナンバーを削除したものを使います。

この記事からスタートする場合は、
↓こちらをご利用ください。
002.txt

さて、このNCプログラムですが、
ツールパスをを図示すると、こんな感じです。
置換用NCプログラムのツールパス
直線と円弧が交互にあって、ぐにゃぐにゃ進みます。

こんな加工は無いと思いますが、これを仮に加工したとして、
円弧部分の送り速度が、速すぎるという結果になったとします。
そこで、円弧部分の送りをF200から、F100に落とす事にします。

G2 X-47. Y25. R3. F100.
G1 X-42. F200.
G2 X-40. Y23. R2. F100.
G1 Y-8. F200.
G3 X-38. Y-10. R2. F100.
・・・・・

…というように、直線と円弧で、
送りF200、F100を、交互に追加します。
直接入力していく事も出来ますが、数が多いと大変です。
置換機能を使って、素早く編集してみましょう。

ここでは、円弧切削の、G2とG3の行に、
F100を追加する方法を考えます。

<改行を検索・置換の対象にする>
前回も使った、置換機能の「正規表現」ですが、
これを使うと、改行も検索対象にする事が出来ます。

改行は、「¥n」です。
「¥」は、本当は半角です。
コピーする場合は、こちら→「\n」。
¥の半角記号は、ブログでうまく表示できないみたいです。

今回のプログラムの場合、G1と、G2またはG3が繰り返しなので、
G1の前にF100を追加すれば、うまくいきそうです。

「置換」機能で、「正規表現」にチェック、
改行コードを置換する

検索に「¥nG1」
置換に「 F100.¥nG1」
(¥は半角で)
検索と置換
と入力してください。

これで、全置換をクリックすれば、
F100が追加される
「F100.」を、一気に追加できます。

ただし、「全置換」だと冒頭の、Zを降ろすG1の前まで、
「F100.」が追加されてしまいました。
冒頭までF100が追加されてしまう。

これが嫌な時は、やり直して、
問題のG1よりもあと、11行目辺りにカーソルを当てて、
「下検索」を使うと良いでしょう。
下検索を使う

これだと、1カ所しか置換してくれませんが、
その後に、F3キーを連打すれば、連続で置換してくれます。



残りは、G2とG3を対象に置換機能を使い、
同じように、G1の行へ「F200.」を追加すればOKです。
しかし今回の紹介では、「マクロ」機能についても解説したいので、
残りの編集は、次回に持ち越ししたいと思います。


秀丸エディタの「置換」機能は、
かなり複雑な編集も可能となっています。
ヘルプや、専門の解説サイトで、高度な使い方を覚えれば、
もっと入り組んだNCプログラムも、素早く編集できます。
興味のある方は、これを足がかりに、いろいろ調べてみてください。

>「NCプログラムに便利な秀丸機能その3」へ
posted by center drill at 11:41 | Comment(2) | パソコン関係

NCプログラムに便利な秀丸機能その1

テキストエディタ「秀丸エディタ」(有料なシェアウェア)を使った、
NCプログラムの編集に、役立ちそうなテクニックを紹介します。

今回は、適当に作ったNCプログラムを使って解説します。
テキスト形式で保存したので、ご利用ください。

↓こちら
001.txt

<シーケンスナンバーをまとめて消す>
さて、このNCプログラムですが、
各行に「N」で始まるシーケンスナンバー(番号)を割り振っています。
NCプログラム

あった方が便利な事も多いのですが、無くても動きます。
容量を少しでも小さくするため、消してしまおうと思います。
シーケンスナンバー

ここで、「置換」機能を使います。
メニューバーの「検索」→「置換」です。
置換機能は、特定の文字列を一度に変換する機能です。
「検索」→「置換」

ここで、「正規表現」にチェックを入れてください。
置換ウインドウの正規表現をチェック

そして、検索に
N...
と入力してください。
「エヌ、ドット、ドット、ドット、スペース」です。
置換には、何も入力しません。
そして、「全置換」をクリックです。

これで、一気にシーケンスナンバーを削除できました!
置換で、シーケンスナンバー削除

「正規表現」というのは、半角記号に意味を持たせて、
複雑な文字検索を行なう機能です。
正規表現にチェックを入れていると、
「.(ドット)」は、「任意の1文字」を意味します。
つまり、「N... 」は、「Nから始まる3文字と、半角スペース」で、
置換欄は何も入力していないので、
該当する文字列を全部削除したのです。

ちなみに「検索」機能で、「正規表現」を使えば、
検索で「正規表現」

該当する文字列全てが、黄色に表示されるので、確認に使えます。
検索した文字が黄色に

>「NCプログラムに便利な秀丸機能その2」へ
posted by center drill at 12:41 | Comment(0) | パソコン関係

製造業の魅力を語る!?

「おすすめの本」カテゴリとは少し違うので、
コラムとして、漫画を紹介したいと思います。

「シブすぎ技術に男泣き!」見ル野栄司


製造業に勤めていた作者が、
ものづくりの魅力を語る、コミックエッセイです。

この業界ならではの、「あるある」話が面白いです。
作者は、機械設計などをされていた方で、
金属加工に関する話は、ほとんど出て来ません。
(「ボール盤」の回だけ、すごく共感できます)
それでも、似た空気を知っているだけに、より楽しめると思います。


最近は、TVのトーク番組「アメトーーク」で、
「町工場芸人」がテーマになるなど、
製造業のネタが、一般に取り上げられて、嬉しいです。
(4月1日の特番で、再び「町工場芸人」をやるようです)

もっとも、ものづくりの世界をを知らない人たちに、
ちゃんと伝わるのかは、微妙なのですが…。

NHKで金属加工の工場を紹介している番組を、両親に見せても、
私のしている仕事を、あまり理解してもらえなかった、
…という、苦い経験があります。
何故か、飛行機を造っていると、思われています。
無念。
posted by center drill at 23:57 | Comment(0) | コラム

バリ

のこぎりで木を切ると、切り口にささくれが残ります。
これと同様に、金属を削るときにも、加工面と端面の境界に、
ささくれが出ます。
これを、バリと言います。
プラモデルを作る人には、おなじみの言葉だと思います。

切削加工をするとき、バリは必ず出るものだと思った方が良いです。
面取り加工を施せば、バリを最小限に抑えることが出来るのですが、
それでも無くなるわけではありません。

特に、目に見えないくらい細かいバリはやっかいで、
気がつかずに計測器具で測ると、大きな誤差を生みます。
計測器具を使うときは、計測面にバリがないか、指で触って確かめましょう。
(人間の手は、想像以上に精度の良いセンサーです)

同様に、機械に被削材をセットするときも、バリが原因で固定が狂うことがあります。


基本的には、バリは機械加工が終わった後、
手作業でペーパー(サンドペーパー)等を使って落とすことになります。
しかし、場合によっては、手作業が難しかったり、
製品の性質上機械加工のみの工程を求められることもあります。

そういう場合には、機械加工を工夫して、バリの出づらい加工を
目指さなくはなりません。
切れ味の良い刃物に変更したり、工具の切削条件を変更すると、
バリを抑えられる場合があります。

また、加工パスを変えるだけでも効果があります。
カッターの場合、端面ギリギリに刃が来るようなパスにするだけで、
バリの出が変わったりします。
面の加工順を変えるのも、有効な場合があります。
色々と工夫してみましょう。


また、バリは刃物の摩耗具合を知る目安となります。
加工後の被削材に、バリが目立ってきたら、刃物交換のサインです。
加工が終わったら、バリの確認をする習慣をつけることが、
品質安定の為に、とても重要なポイントなのです。
posted by center drill at 09:29 | Comment(0) | 用語解説